霊視/スピリチュアルカウンセラー/スピリチュアルカウンセリング [オフィス スピリット911]





―― Vol.43 ラストラン ――

 よしだが世話してくれて、野鳥のヒナは元気に育っています。でも、外に放し飼いにしていたら、あんず(フレンチブルドッグ)にかまわれて、尾羽が抜けてしまい、哀れな姿に。911オフィス前にある食堂の親父さんが、「あんずに止めろっていっても止めないんだよ。死んじゃうんじゃないかと思ったよ」と真顔で言われました。あんずは遊んでいるつもりでも、野鳥のヒナにとっては命がけだったようです。でも、放し飼いでも逃げる気配は全くないので、911ファミリーへ仲間入りかもしれません。

 「明日、ツーリング行ける?」バイク乗りの友人から夕方、電話がありました。「明日はカウンセリングがあるから無理だよ」と返事したら、「俺も明日は急すぎて無理なんだよ。実は・・・」と、友人。友人は10年振りに名前を聞くHさんのことを話しだしました。当時Hさんとは、ナイトツーリング [ Vol.27ルール参照 ] で初めて顔を合わせました。自分よりも10歳くらい年上でしたが、バイクに対する情熱は年齢など関係ないと思わせるパワーがありました。最低でも1年に1回はバイクを新車に買い換えるほど、新型が出たら乗ってみたくてしょうがない感じで、その魂はキラキラした瞳を持った少年のようでした。

 Hさんはバイク屋さんにとっては、最高のお客さんです。「新型が出ましたから、Hさんのために1台確保しました」とバイク屋の店長から電話があると、喜び勇んで買い替えに行っていたそうです。Hさんの名誉のために言いますが、Hさんはお金もちではありません。大好きなバイクのためだけに仕事をしているような、それがHさんでした。同じバイクに愛着を持って長く乗るのが普通だと思っていた自分に、そういうのもありだと思わせたのがHさんです。当時、レース用のベースマシンを購入する際も、Hさんにお願いしてバイク屋さんの店長に口をきいてもらい、信じられないほど安く、それも手間のかかることに、名古屋にある支店から国内在庫1台限りのバイクを取り寄せてもらい、購入したことがあります。何のお礼も出来なくても、「よかったね」と、自分のことのように喜んでくれるHさんでした。

 ナイトツーリングで一緒に走るだけなので、Hさんのことはあまりよく知りませんでした。でも、自分が事故で入院した時には真っ先にお見舞いに来てくれました。まさか、そこまでの間柄だとは思っていなかったので、そう思っていたことが恥ずかしいのと、嬉しいのやらで、すごくありがたかったです。バイク乗りの心意気を持ったHさん。その後、ナイトツーリングを止めると同時に、Hさんとは自然と会わなくなりました。

 「Kから電話があってさ、Hさんが昔の仲間とツーリングに行きたいんだって」と、友人。Hさんは、ここ数年、入退院を繰り返していたそうです。肺ガンになり、片方の肺を切除して、その後、ガンが転移してしまい、肝臓か腎臓の一部も切除したとのこと。そして最後に、「もう、あまり長く生きられない」と。バイクに乗れる身体うちに、最後のツーリング。友人からの電話は、Hさんとのラストランの誘いでした。明日は無理だけど、他の日だったら何とか都合つけるからと言って、電話を切りました。

     残された時間。
     ラストラン。
     天空の采配。
     10年振りに会ったら、昔と同じように、アイコンタクトであいさつ。
     別れる時も笑顔で、「気をつけて」、と。
     自然に。
     さりげなく。
     特別な言葉はいらない。
     それが、らしい。

 Kさん [ Vol.28 死に方参照 ] の奥様から、一周忌法要の案内が届きました。一年前の病院での出来事が、昨日の事のように思い出されます。蒸し暑い、初夏の夜でした。「出席します」と返事を出しました。

2007/06/29